サン(イiベルiタル♂寄り)とネル(ゼiルネiアス♀寄り)のはなし。
先日ツイッターでお題を頂いたものです。
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ジiガルiデの設定次第では変わる部分も出てくるかもしれません。
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かつてカロiスの生きとし生けるもの達を支配し、
互いの覇権をかけて闘争を繰り広げていた二柱のかみさま。
拙宅で「かみさま」と呼ばれる者は万有から創り出され、それぞれ一柱に一つずつ役目を与えられ、
みな世界"全体"を形成または保守するために己の力を使ってこの世界に働きかけます。
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サンは死を、ネルは生を司る力を与えられています。
二柱でこの世界の命のサイクルの回すことが本来彼らの役目です。
にも関わらずこの二柱はひとつの地方に居着き、そこにいる者たちを力にもの言わせて支配しては、
己の思うままに殺し、あるいは蘇らせたり、永遠の命を与えたりと好き放題にしています。
この行いが少なくともカロiス間の生死のサイクルを上手く回してくれていればまだいいのですが、実際は何の役にも立っていません。
彼らがいるせいでカロiスはある時は殆どの命が死に絶えたり、またある時は命が溢れすぎたり、何度も何度もバランスを崩してきています。
要するに相当ダメなかみさま。或いは、もはや彼らはかみさまでは無いのかもしれません。
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彼らも最初からこうだったわけではなく、創られた当初は与えられた使命を全うしていました。
サンが命を減らした数だけネルが新たな命を誕生させる。
この世界が保てるだけの命の数から増えすぎず減りすぎないように。
まともだった頃の彼らの仕事はたいへんに平等で厳正・正確なものでした。
一切の他意無くして役目をこなす為に彼らには情というものが一切なく、ひたすら機械のように命の数の調整を続けます。
情が無い点に関しては他のかみさまもそうでした。全ては正しく世界を生かしていく為に。
…万有が己の力を棄てて眠りにつくまでは。
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万有が眠りについた後、サンとネル含むかみさまたちは「完全完璧な存在」から外れてゆき、少しずつヒトに近付いていきます。
その過程でヒトと同じように人格を持つようになり、感情も芽生えます。
拙宅のかみさまがみんなその辺のヒトと変わらないように性格があるのはこのせいです。
情を得たことで完全平等な仕事ができなくなったかみさまたちではありますが、
それでもちゃんと使命を果たそうと、自分たちなりに世界のために力を使い続けます。
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しかし、サンとネルは違いました。
彼らは自分の持つ力、そして与えられた役目こそが至高なのであると強く考えるようになったのです。
ゆえにサンは自分の間引きに耐えうる選ばれた強い命だけが在る世界を、
ネルは全ての命が永遠に生き続け且つ増えてゆく世界を望みました。
そして己の理想を叶える為だけに二柱が力を奮い続けた結果、
世界の半分では命が死に絶え。もう半分では賄いきれない程の命が溢れかえるようになってしまいました。
これを受けた他のかみさま(メイ辺りかな?)は、この二柱を野放しにすればこの世界が破滅してしまうと判断し、総員で彼らを討伐しにかかります。
流石のサンとネルもかみさまが束になってかかってきては敵いません。
消滅は免れた(おそらく万有でなければかみさまを倒せることはできても"消す"ことはできない)ものの、
これ以上世界に害をなさないようにと或る一つの地域に追いやられることとなりました。
後にカロiス地方と呼ばれることとなる地域に。
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カロiスに押し込められたサンとネルには制約がかけられており、彼らはカロiスより外に出ることができません。
外に出ようとしても彼らだけはまるで結界が張られているかのように弾き返されてしまいます。(多分ジガiルデによるもの)
かみさまともあろう自分たちがこのような不自由を強いられていることは勿論屈辱極まりないことであり、
サンネルは他のかみさま達のことを忌々しく思っています。
その憂さを晴らすかのようにお互いでぶつかり合い、民たちには理不尽な支配を敷いていたわけです。
カロiスの民を憂えたジガiルデはサンとネルに更なる制約を、不完全ではあるものの死という概念を取り付けました。
これによって彼らは力尽きた時、繭あるいは樹となって動かず物言わぬモノになって数千年眠り続けなくてはいけないようになり、
民たちは一時的ながらも安息を得られるようになりました。
こうして現在に至るまで、拙宅のカロiスは数度の平穏の時代と恐怖の時代とを繰り返してきました。
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ところで、実質はどちらも力にモノ言わせた支配ではあったのですが、
ネルの方は支配下に置いた者たちを自分の思想で染め上げ念入りに洗脳し、不満を感じさせないようにしていたこと、
サンと違って生命を創る方の能力をもっていた為に伝説上などではいわゆる"善い"かみさまのように語られています。
こういうところはサンよりネルの方がえげつない。
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彼らはカロiスから出ることもできなければ、カロiスの外へ直接自分の力を飛ばすことなどもできません。
ただし、自分の力に染まった他者を送り出すことによって間接的に影響を及ぼすことは出来るようです。
ネルは従うものに力を与えて尖兵へと仕立て上げて他地方に送り出す手をよく使っていますが、
サンはどちらかといえばさっさと自分をカロiスに縛るものを排除して、手ずから世界とかみさまを破壊し尽くしてやりたいと考えています。
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顕在した性格の違いでもありますが、この考え方からサンネル両陣営の様相はかなりの違いがあります。
ネルには長くから彼女に仕え続けるしもべが何人かいます。
それこそ永遠の命を与えられ、彼女が樹となって眠りについている間も彼女を護り、彼女の意思に従い勢力を伸ばし続けるようなしもべが。
また、そんなしもべ達が彼女のために深い森の奥にこさえた古城を拠点にし続けています。
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一方サン側には長く彼に付き従い続けるしもべも、拠点らしい拠点もありません。
サンは興味を持った者に力を与えこそはしますし、部下になりたいと申し出た者を拒みはしません(というか「勝手にすれば?」って感じ)
大半があまりに強大すぎる力に飲まれて正気を失い破滅していってしまうため、誰も彼も長くは持たなかったのです。
サンもこれを残念に思うことは無いので、常に「所詮はその程度」とあっさり見切りをつけてしまいます。
何もかもがその場当たりなので拠点も持たず、眠りに付くときはたまたま飛んで着いたところで眠りますし、
目覚めた時は適当にカロiスを見繕って気に入ったお城などがあればもと住んでいた人を消すかしもべにするかして奪い取ります。
サンはXY時に既に目覚めてしまっているので…、現在何処かの貴族あたりが被害を被っているかもしれません。
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思想とは真反対に、サンの方が大らかで、ネルの方が偏狭な性格をしています。
サンは全てにおいて「我も好きにやるからお前も自由にすればいい」思考です。
歯向かうのは自由だけれども、歯向かった奴をころすのもまた自由…といったところでしょうか。
何をされても怒りはしません。
自由同士がぶつかり、どちらの願いも満たせないのならば蹴落とし合えばよい。
サンが暴君のようになる所以としては、彼自身がその蹴落とし合いに異常に強いからといったところでしょうか。
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ネルはと言えば「私は正しい、お前は私の言うとおりにするのが正しい」的な思考です。
歯向かうなんて許しませんし、そのつもりがなくとも彼女の思想にそぐわぬ行いをすることも許しません。
サンよりも相当沸点は低いですし、見限るのも早いです。
善いかみさまとして崇められる為に民たちを洗脳していましたが、それでも彼女の思想に疑問を持つ者は少なくなかったことでしょう。
そんなヒトたちを彼女は美しい世界の異物「穢れ」という悪者のレッテルを貼って始末してきました。
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前述の通りサンはY軍の物語の中で既に目覚めており、今後Y軍特にツカサに大きな影響を及ぼしていきます。
ネルの方はまだ樹として眠っている状態ですが、近い未来に彼女もまた目覚めます。
そして間もなくしてX軍と接触し……サンに続くXY両軍の大きな障害として立ち塞がることになるのです。
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というのも、X軍としてはサンの力を宿してしまい狂気に堕ちかねない状態になってしまったツカサを助けようとした一心で、
あれと対をなす生命のかみさまなら力を打ち消してくれるのではと思い立ち、彼女に助けを請うただけでした。
しかしネルは「サンの息がかかった以前でその者は既に穢れた。穢れを庇うというのならば貴方達もまた穢れである」と聞き入れず、
ツカサを助けるどころかしもべ達に追い回させ、自身はX軍に牙を剥くのです。
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Z(仮)の時、だいたいXYから1、2年後にはサンはツカサを狂気に誘いながら、ネルはXY軍を追いながら、
互いに闘争の続きを始めようと現地のヒトびとに力を撒きながら準備をはじめています。
放っておけば恐怖の時代の再来というわけです。
これをどうにかするためにジガiルデを呼び起こさなくては!みたいな話にしたいなと思っていますが、
ここは三本目が出なければ進みませんし、全然違う話に代わっているかもしれないです。
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いずれはサンもネルも討たれ、再び長い眠りに就かされます。
その時代のヒトびとは彼らの脅威から免れますが、彼らは遠い未来にまた再び目覚めて災いとなることでしょう。
それでもずっと好き放題にさせておくよりかは何百倍もマシです。
根本的な解決など誰もできやしない。そういう意味でも相当にタチの悪い存在です。
…というぐらいに完全に「敵!!!」みたいなキャラなので、動かすのはとても楽しいです。
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